懸念されるセキュリティ上の「蟻の一穴」

スマートフォンが“盗聴器”になる前に対策を──シマンテックの山中氏
ITmedia +Dモバイル

今後起こりうる脅威の1つに挙げられるのがウイルスだという。Symbian OS搭載機もWindows Mobile搭載機も、その機能がどんどんPCに近づいており、「中身がPCに近づくにつれてウイルスも作りやすくなってくる」と山中氏は指摘。その上、カメラやICレコーダー、スケジューラなどを備えた高機能なスマートフォンを盗聴器に変えかねない「スヌープウェア」の存在も確認されている。

 「スヌープウェアは例えば、端末内のカレンダーの内容を参照して持ち主の予定をキャッチし、(会議などの予定に連動させる形で)勝手にマイクをオンにして盗聴させたり、ひどいときにはカメラを起動して写真やムービーを撮る。Windows Mobile向けのスヌープウェアはまだ確認されていないが、携帯特有のリスクを突いたウイルスが出てくるのは時間の問題かもしれない」

ウィルス問題がひたひたとスマートフォン端末にもしのびよりつつある(かもしれない)というのは、日本でもW-ZERO3登場から少しした段階で指摘されていたことでもあります。法人がシステム導入を行う際に外部アクセスのためのクライアント端末としてスマートフォンを採用する場合、一定のセキュリティポリシーに則って運用・管理される訳ですが、実はスマートフォンの普及が進んでいる米国市場などで、個人契約の端末まで法人契約導入された端末と同様の運用がなされているのがセキュリティ上非常に危険である、と指摘されています。そのためにも今後、セキュリティ対策製品の導入も真剣に考えなくてはならない、とのプロからの提言、といったところでしょうか。