デフォルトで十分使えるレベルまでソフトをブラッシュアップする必要性

スマートフォンの近未来
All About

急速に機能向上するスマートフォンですが、ケータイとインターネットやAV端末としての次世代モバイルツールとなるには基本機能の変革も大切なキーワードとなると思います。

W-ZERO3シリーズ上でOSとして動いてくれているWindowsMobileですが、個人的にはシステムの基本的な構造が掴み易く、自分がしたいことを実現するためにアプリケーションを導入するなどして使いやすく弄る上で、工数はかかりますが比較的直感的に使うことができるので、気に入っています。またネット上にはヘビーユーザーの方々がカスタマイズするための注意点やTips情報などを積極的に発信してくれていて、かつアプリ作者の方々もWMの普及度に比例する形で多くのアプリを世に公開してくださっています。ただこれらのことは、カスタマイズを行うことで自分が使いやすくする、ということが大前提となっていることから、「イコールWM機は誰にでも扱いやすい」という評価には決して繋がりません。


他メーカーのWM機を触る機会がこの一年ほどで増えてきたので特に思うことなのですが、購入したそのままの状態(→工場出荷状態)での使いやすさについては、どうしてもシャープ製のW-ZERO3シリーズは常に出遅れている気がします(もちろん、W-SIMシステムという通信方式の違いによる足かせ(→Windows Mobile 6 Classicしか使えない)があることは考慮しています)。特に【W-ZERO3メール】の使い勝手の悪さにはいつも閉口してしまいます。例えば、使用頻度が明らかに高い項目がメニュー階層の深いところに設置されていたり、無用にポップアップメッセージが上がってきたり、メールの下部に「sent from W-ZERO3」なんてユーザーには全くメリットのないフッタが付けられたりしますorz
しかしこうした使いづらさの傾向については、ベースとなるWindowsMobile自身が抱えている問題も無関係ではありません。その例としては、【InternetExplorerMobile】において、ブラウズ時の全画面が見辛かったり、キャッシュがひたすら溜まってしまうので重たくなったりと、使い込めば使い込むほど使いづらく(感じるように)なる仕様なので、余計カスタマイズの必要性を強く感じてしまったりします。
こういったデフォルト設定での使い勝手の悪さは、カスタマイズをして使いやすくした上で使っているユーザーであれば尚のこと、強く感じていることだと思います。ただ、ユーザーがカスタマイズをするときに、いくつかの方向性の違いというものはあると思っています。

  1. )搭載されていない便利な機能を持たせる(オプショナル・チューンアップ)
  2. )デフォルト機能の使い勝手を向上させる(デフォルト・チューンアップ)
  3. )デフォルト機能と機能代替を行う(リプレイス)


1)については、そのユーザーが現状ある機能を更に向上させるために行うもので、正にWindowsMobileというOSの真骨頂とも言えるところですね。これができるからこそ、一般のケータイ端末との差別化ポイントがあるわけですし、Windowsというプラットフォームにおけるシステム親和性の高さを維持できているともいえます。
今回、問題視していているのは、2)や3)のケースです。勿論、どのユーザーも同じニーズを持っているわけではありませんし、全員を満足し得ること等、望むべくもありません。ただ、全員とはいいませんが、「概ね満足」か「及第点」的な評価を受けられる(→2の必要性さえもあまり高く感じられない)仕様への調整というものは不可能なのでしょうか。


そもそも、スマートフォン自体、多様なユーザーニーズの全てを満たしてくれる万能端末ではない、と私も思っています(現に、W-ZERO3[es]を弄ることが楽しくて使っているのではなく、スライドキーボードの使いやすさと【ソリテリア】が遊べるから使っているという、うちの嫁さんを毎日目の当たりにしているからなのですがw)。
ただ、端末が持つ機能について十二分に理解されることなく、「私にとって使えないもの=ダメ製品」という烙印をただ押されるのを見るのは忍びない気持ちでいっぱいです。
こういった印象を払拭するには、「買ってちょっと使い方を覚えれば便利に使える(もっと自分に使いやすくするにはカスタマイズも可能)」という大前提が必要じゃないかなぁと、最近ことに強く感じるようになりました。


自分がいろいろと情報を集めた結果使えるようになった、という体験が、結果的に今からW-ZERO3を使ってみたいと感じている人に対して、”手放しにお勧めできない”という状態を生んでしまっているのは、非常に問題点が多いように思います。また扱っていて、思わず弄ってしまうようなギミックについて(シャープ:Xcrawl⇔ソニー:+Jog)は、「触っていて気持ちがいい」ぐらいになるまでのチューニングをする必要性があるのではないか、と思います。
本当は”誰にでも勧めたい”と思っている私だけに、こうした状況を苦々しく思う今日この頃です(;´ω`)ゞ